病の理を学習し、臨床にその知識を還元する。それが診断病理です。

TEL:0952-34-2253
〒849-8501 佐賀市鍋島5丁目1番1号

佐賀大学医学部病因病態科学 
診断病理学分野

教室紹介

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  • 教室のあゆみ
  • 教室員自己紹介

教授挨拶

佐賀大学医学部 病因病態科学 診断病理学分野 教授
相島 慎一

病理診断について

診断病理学分野は病理部・病理診断科とともにヒトのすべての臓器、すべての患者さんを対象とした幅広い分野の病理診断を担当しており、臨床病態病理学と協力し隔週の当番制で診断業務を行っています。組織診断では、毎日午前中に4~7名でmultiheadの顕微鏡と大型モニター画像を用いて診断しています。複数の病理医・大学院生が共に鏡顕することで、①所見のとらえ方の標準化、②診断のレベルアップ、③多くの症例をみんなで共有する、④正確な報告書作成などの、多くの効果が得られます。診断報告書には組織所見とともにマクロ写真とミクロ写真を添付し、臨床医が理解しやすい画像を提供することにも注意を払っています。また、臨床各診療科(呼吸器外科・内科、肝臓内科、消化器外科、産婦人科、泌尿器科、血液内科など)と臨床・病理カンファレンスを定期的に開催し、お互いの意思疎通を図り、患者さん中心の医療を実践しています。
佐賀大学附属病院では年間30~50体の病理解剖をさせていただいており、全国でも比較的多い方だと思います。患者さんの病理解剖を行った後は、全例で臨床・病理カンファレンス(Clinicopathological conference; CPC)を行い、患者さんのより良い治療に反映できるようにフィードバックしています。

研究について

現代医療における病理医の役割は随分と様変わりし、日常診療で求められている病理診断のレベルが高くなっていると感じます。そういう中で、確定的な診断根拠を示すための診断方法に関する有益な病理学研究と、疾患の本質に迫る病態解明を目指す病理学研究はどちらも大切です。ヒトの組織、細胞を詳細に観察し、そこに含まれる遺伝情報、蛋白の情報を統合的に解析することで、二つのテーマを解決することができると考えています。
分野や臓器にこだわらず日頃の診断で疑問に思ったことを解決するアプローチとともに、悪性腫瘍の血管新生、浸潤・転移機構の解明に力を入れていきたいと考えています。 特に、肝胆膵分野、婦人科領域の癌研究で基礎医学、臨床医学講座と協力しながら多角的な研究を発展させようと思っています。また、肝胆膵病理の分野の診断困難例があればお気軽にコンサルトいただきたいと思います。

教育について

医学部医学科の学生教育における病理学は初期(2年生)の総論、中期(3、4年生)の臨床各論、後期(5、6年生)の総合的学習と3段階を経て完成されるものと考えています。それぞれの時期に合わせた講義・実習を提供し、病態理解の核となる病理学の重要性、おもしろさを伝えたいと思います。また看護学科についても毎年講義を行っており、実習前の疾患の理解を手助けできるように工夫しています。 臨床医にも病理学は大切な分野の一つで、「学生のときもっと病理を真剣に勉強していればよかった。」ということを聞きますが、医師になってから勉強しても遅くはありません。実際の患者さんを通して病理学的なカンファレンスや討論を重ねることで専門分野の病理学的知識は飛躍的に伸びていきます。大学院生として学習できる環境も整えています。
今、私たちの病理学講座には選択コースを利用して、2年生から5年生までの医学部の学生が在籍しており、そのおかげで年中活気にあふれています。また希望すれば、研究、症例報告などを通して学会発表や論文作成もできます。オープンで楽しく学べる教室を目指しているので、興味がある方

学歴・職歴

平成8年3月 佐賀医科大学医学科 卒業
平成8年5月 広島赤十字原爆病院(外科) 研修医
平成9年4月 九州大学医学部附属病院(第二外科) 研修医
平成10年4月 九州大学大学院医学系研究科第二病理学 入学
平成14年3月 同上 卒業
平成14年4月 九州大学大学院医学系研究科 (第二病理学講座) 助手
平成17年4月 国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 医長
平成20年4月 九州大学大学院医学系研究科 (形態機能病理学) 助教
平成22年10月 九州大学大学院医学系研究科 (形態機能病理学) 准教授
平成26年2月 佐賀大学医学部 病因病態科学 診断病理学分野 教授

所属学会

日本病理学会
日本癌学会
日本肝臓学会
日本臨床細胞学会
アメリカカナダ病理学会
日本移植学会
日本胆道学会
日本消化器癌発生学会

賞罰

日本病理学会学術研究賞(A演説)(平成19年)
日本癌学会学術奨励賞(平成22年)

専門分野

肝胆膵分野の腫瘍病理

教室員

職名 氏名 e-mail
(以下はすべて@cc.saga-u.ac.jpを付記して下さい)
教 授 相島 慎一
(Shinichi Aisima)
saish
准教授(病理診断科) 甲斐 敬太
(Keita Kai)
kaikeit
助 教 木戸 伸一
(Shinichi Kido)
kidoshi
助 教 橋口 真理子
(Mariko Hashiguchi)
hashigum
医員(病理診断科) 井樋 有紗
(Arisa Ibi)
st8782
医員(病理診断科) 陣内 一輝
(Kazuki Jinnouchi)
sw8696
大学院(博士2年) 前田 佐知子
(Sachiko Maeda)
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大学院(博士2年) 川崎 佳奈子
(Kanako Kawasaki)
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教室のあゆみ

佐賀大学医学部 病因病態科学 診断病理学分野のあゆみ

佐賀医科大学病理学教室は昭和53年より渡辺照男先生が主任教授として開設されました。渡辺教授は動脈硬化の分子病理と発生機序の解明を主たる研究テーマとされ、筑波大学へ転任されるまでの14年にわたり教室を主宰されました。第2代教授である徳永藏先生は血管内皮の培養を用いた動脈硬化の研究に加え、人体病理学の研究にも力を注がれ20年にわたり教室を主宰されてこられました。 平成26年の2月には第3代教授として相島慎一教授が就任しました。

ここ数年病理診断の重要性は高まってきている一方で、病理医が少ないため、もしくは適切に配置されていないため、そして何より病理医の仕事量がふえたことによって、その責務を十分に果たされていないように思えます。多くの分野において新たな疾患概念や疾患単位の整理が行われるために、年々病理診断の基準が変わり、新たな病理診断が要求されることになります。EBMに基づく分子標的治療薬や治療方針決定のためには、より詳細な病理学的評価を要求されますし、多くの悪性腫瘍について組織学的な治療効果評価基準が必要になっています。従って、質の高い医療を提供するためには、的確で丁寧な病理診断とともに、臨床に直に還元できる病理学研究に力を入れるとともに、これまで相島教授が専門としてきた肝・胆・膵領域の腫瘍病理学の研究ならびに、多臓器、腫瘍以外の多方面での研究に着手していきたいと思っています。

教室員自己紹介

助教: 木戸 伸一 Shinichi KIDO

2018年度より診断病理学分野に勤務しております木戸伸一と申します。
2011-2015年まで唐津赤十字病院病理診断科、2016-2017年まで佐賀県医療センター病理部に勤務し、病理診断や術中迅速診断、病理解剖などに携わってきました。これまでの経験を活かし、当院での診断、教育、研究に貢献できるようにしていきたいと考えています。宜しくお願いします。

助教: 橋口 真理子 Mariko HASHIGUCHI

2019年に当教室の大学院を卒業後、産婦人科の寄付講座に所属しながら診断業務等に携わっていましたが、令和4年7月より病因病態科学の助教となりました。まだまだ勉強不足で日々苦戦していますが、もともとの専門だった産婦人科の知識を生かしながら、診断や教育に貢献できるように頑張りたいと思っています。現在まで、子宮頸がん検診の有用性やその費用対効果についての研究や、子宮頸部円錐切除後の狭窄予防のデバイスについての研究をしており、その研究も継続していこうと思っています。よろしくお願いいたします。

医員(病理診断科): 井樋 有紗 Arisa IBI

附属病院病理部所属の専攻医です。診断業務のため勉強の日々です。

医員(病理診断科): 陣内 一輝 Kazuki JINNOUCHI

附属病院病理部所属の専攻医です。診断業務のために努力していく所存です。よろしくお願いいたします。

大学院 前田 佐知子 Sachiko MAEDA

2021年4月より大学院生として在籍しています。2020年度までは一般消化器外科として臨床に携わってきました。まだまだ分からないことばかりですが、しっかり勉強し、研究も診断も頑張りますのでよろしくお願いいたします。

大学院 川﨑 佳奈子 Kanako KAWASAKI

2021年4月から大学院生として在籍しております。耳鼻咽喉科が専門で、頭頸部癌に関する研究を行っていきたいと考えています。
研究テーマは喉頭癌リンパ節転移巣におけるCD1a陽性樹状細胞の病理学的検討

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